人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ノウゼンカズラ


2008/07/16 WED (No.1931)




 ザクロやサルスベリなどと並んで、夏場を代表するような花である。色合いや樹勢が、いかにもギラギラ照りつける夏の太陽に似合う。ただし、冬場の気温が低い寒冷地では育たないから、見かけるのはたいがい関東以西である。平安時代に中国から渡来したらしい。
 我がマンションの緑地にも、以前この木があった。とにかく良く育つ。1年間で蔓が5メートルも伸びるのである。しかも、地下茎を伸ばすから、とんでもないところから芽を出すし、種の発芽も良好で、周囲にどんどん株が広がる。剪定しても追いつかないぐらいなので、手に余って切り倒した。蔓を這わせていたポールだけが今も残っている。
 この株は、線路際のクリーニング屋のばあさんが植えた。挿し木をすれば100%根付くというぐらい丈夫なのだ。そのばあさんが毎年よく手入れしてくれていたのだが、一昨年あの世に召されてからは手入れする人もなく、伸び放題である。電車の運行の邪魔になるほどになると、保線係員が来て邪魔な蔓を切っていく。道の側に伸びすぎた蔓は、そのばあさんの息子がときどき切る。伐採してしまわないのは、ばあさんの形見だからであろうか。

今日のプレミア版

暑い季節


展示作品:通常版「暑い季節」
エッセイ:多忙日
今日のポイント:モデルの街撮り
撮影会講評:けんちゃんの作品
「漁港の空」

by osampo002 | 2008-07-17 00:39
<< 夏空に鉄塔 根っこ >>