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2010/03/13 SAT(No.2534)


花より携帯





 出版社のエディターさんから電話。著者プロフィールの原稿を大至急書いて送れという。今日は終日自宅待機だったので時間はある。書いて送った。メルマガ読者限定で事前に公開する。

 「1948年ごろに生まれたとされる。生誕時に東方よりやって来た3人の博士が立ち会ったと伝えられるが、後に、重度の陣痛のために錯乱した母親(処女ではなかったらしい)が、産科の医師と看護師、分娩室の掃除のおばさんを見誤っただけということが判明した。したがって、誕生日は国民の祝日にもなっていないし、世界中のあらゆる宗教において、聖人の日に指定されている事実はない。

 幼少時は天才の名をほしいままにしたが、鹿児島ラサール高校に在学していたころには早くも凡人になり果て、教師からは天災と呼ばれた。卒業時には学校創設以来の鈍才として記念品を授与されそうになったがそれを拒否、奥ゆかしい人格はその当時から育まれていたと思われる。鹿児島大学で哲学を学ぶが、学んだのは「哲学はキットに向いていない」という一事のみであった。洞察力にかけても秀でていたことが分かる。

 爾来30年、証券・金融業界に身を置くが、数社をたらい回しされた挙句、外資系金融会社を最後に脱サラした。惜しい人材を失うことになった我が国金融業界はなべて嘆き悲しんだと伝えられるが、確認された事実によれば、ツケを払うのを忘れていたために、社員食堂のおじさんが悲憤慷慨したことが、誤って伝えられたものであるらしい。

 フリーカメラマンに転身して5年間、世界各地を放浪して写真を撮ったが、フィルム代、現像代で貯金を食いつぶしてしまったため、それらの経費がかからないデジタルカメラに鞍替えした。デジカメがまだ一般化する前のことであったから、一部には「デジカメの先駆者」と呼ぶ向きもあったが、のちに「出歯亀の変質者」の聞き間違いであったことが判明した。

 2003年より日刊メールマガジン「お散歩デジカメ」(2010年4月より週刊)を発刊した。爾来7年間、1日も休まず配信を続けてきたが、これには偏執狂的なキットの資質が大きく寄与しているという説や、先天性アルツ系であるために、昨日配信したことを忘れてしまい、創刊号を毎日出し続けているだけという説など諸説ある。同メルマガは、配信大手の「まぐまぐ」において3年連続で大賞(アート文芸部門)を受賞するなど、高い評価を受けてはいるが、受賞時に金品の副賞が一切出ないという賞ばかりで、キット本人は理不尽だと憤慨しているようである。読者数は約1万人、変人ばかりである。

 読者の中から自然発生的に誕生した「お散歩ネット」は会員数550名、我が国最大のデジカメ集団に発展している。各地で開催される撮影会は年間100回を超え、コメ作りをする「お田んぼ倶楽部」や、トイカメラで作品作りをする「お散歩トイカメ」などの分派もそれぞれ活発に活動している。分派相互の対立抗争が起きないのは、写真界の七不思議のひとつに数えられる。2009年には富士フォトギャラリー調布において初の写真展を開催、観客の大半が会員であったために、大いに好評を博した。

 著書に「デジタル・写真の学校」(雷鳥社刊)がある。9刷を数えるロングセラーだが、これは、鍋敷きとしての機能に極めて優れていることの証左である。同書は2010年、中国語版も刊行された(どっか他の国で)。海外でも鍋敷きの需要が急増していることが窺われる。」



今日のプレミア版


樹下の麗人



展示作品:通常版「樹下の麗人」
エッセイ:直接配信のメドが立った
今日のポイント:梅園は満開
ネット撮影会講評:はんべぇくんの作品「監視」
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by osampo002 | 2010-03-14 01:03
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