消防署 鬼嫁に同伴されてコンサートを聴いてきた。佐渡裕指揮のシエナ・ウィンド・オーケストラ、曲目はチャイコフスキー一色で、作品31のスラブ行進曲、作品48の弦楽のためのセレナード、弦楽四重奏曲第1番2楽章の「アンダンテ・カンタビレ」を主題とするヨハン・デ=メイ作曲による「エクストリーム・メイクオーバー」の3曲。間に「音楽のおもちゃ箱」と題するトークバラエティを挟む。それには、ロックドラマーからクラシックに転じ、現在は主として欧州で活躍する打楽器奏者の池上英樹がゲスト出演した。 ウィンド・オーケストラ、つまりブラスバンドである。我が国でほとんど唯一といえる常設のクラシック専門職業管楽オーケストラで、今年で設立20年を迎える。海外で活躍する佐渡裕を常任指揮者としていることも与ってはいるが、オケ自体も海外での評価が高く、CDなどの録音メディアも多数出ている。佐渡裕は、日曜日の「題名のない音楽会」の司会者としても名が売れている。 わが国だけではなく、海外においても管楽器奏者というのは肩身が狭い。音大卒業生は毎年供給されるのに、需要が足りないからだ。普通のオケを見ても分かるように、弦楽器の人数はたくさんいるのに、管楽器となると、それぞれの楽器に2人か3人しかいない。オケへの就職はきわめて狭き門なのである。 では、ソリストとしての需要はどうかというと、これはもう、相当に上手くなければ呼んでもらえない。そして、呼んでもらったとしても、ギャラは安い。なにより、管楽器の協奏曲や独奏曲自体があまりプログラムには載らないから、演奏機会自体が少ないのだ。ソロ活動だけで食っていけるプロは、世界的に見ても少数派なのである。 大半は教員になる。音楽のセンセをしながら、部活のブラバンを率いて全国優勝を狙う、そこに音楽家としてのプライドを賭けるわけである。職業バンドに入って、流行歌のバックバンドをやる人もいる。教育者ではなく、演奏者を目指すとなると、それぐらいしか選択肢がないからだ。でも、クラシックの勉強を、それも音大に合格するぐらいだから、死ぬ思いでやってきたのに、結果が流行歌じゃ悲しい。肩身が狭くなるわけだ。 そういう音楽界にあって、このシエラは一つの光明であろう。全国のブラバン生徒たちが熱いまなざしを送ってくれる。ブラスバンドから音大に入り、行くいくはシエラに就職するというのが夢なのである。音楽家を志したからには、一生演奏して食って行きたい。それも、クラシック畑で、というわけ。 ということで、上野の文化会館大ホールは、ボクら夫婦が買った3階席でさえ5,000円というのに、超満員であった。楽器ケースを抱えている女子高生や若者がわんさかいる。シエナの音楽会では、一番最後のアンコールでスーザの「星条旗よ永遠なれ」を演奏することがお約束になっていて、その最後の曲では、観客もステージに上がって、オケの団員と一緒に演奏できるのだ。憧れのシエナと同じステージに立てるわけで、60人ほどの団員に200人近い観客が混じり、あのマーチが演奏された。感動ものであった。 今日のプレミア版
電話中 展示作品: 通常版「電話中」 エッセイ:ダミー版、次のシリーズ決定 今日のポイント:ノーファインダー ネット撮影会講評:休載 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Premium版の購読申込みはこちら。 購読料(月間1,050円)はクレジットカードからの自動引き落としです。
by osampo002
| 2009-08-27 03:24
| 音楽を聴こう!
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