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2009/03/19 THU (No.2175)


ヒヨちゃん桜







 親父の施設引っ越しを終えて帰宅した夕方、鬼嫁が厚化粧するのに気づいた。何事かと思ったら、オバ友たちと宴会なのだそうだ。一滴も飲めないくせに宴会好き、まるでのりおくんみたいな人格なのである。
 当然ながら晩飯は作ってもらえない。かと言って、(食器洗い以外で)ボクが台所に立つことを極端に嫌がる根性悪なので、しょうがない、(内心とても喜んで)外食に出かけた。足取りも軽く向かった先は、言うまでもなくいつもの焼き鳥屋だ。
 その焼き鳥屋で意外な人物と遭遇した。もう20年ほど前(トライアスロンから足を洗った直後)になるが、一時期スリークッションにハマっていて、連夜のようにビリヤード屋に通っていたことがある。そのころの常連さんの一人で、割に気が合って、何度も対戦した相手だった。ボクはまったく気付かなかったのだけれど、あっちのほうから声を掛けてくれた。
 当時、彼は大工さんであった。ところが今は、電気工事関係の社長さんである。結婚を機に起業したのだそうだ。当時から営業向きの朗らかな性格だったから、大工よりは個人事業主のほうが向いている。そこそこの業績をあげているそうだ。
 手玉を的玉2個に当てるというのがスリークッションの基本ルールだが、その的玉2個に当てて手玉が静止するまでの間に、台の四方の壁に最低3回はクッションさせなくてはならない。言葉で言うと簡単そうだが、とても奥が深い頭脳ゲームである。ボクは素質なしと悟ってやめてしまったけれど、彼はまだ続けているという。しかも、かなりの持ち点になっていて、関東大会などにも出場資格を得たそうだ。
 持ち点というのは、競技者の技量に応じて認定されるハンデみたいなもの。例えば、Aくんの持ち点が25点、Bくんの持ち点が30点であったとすると、どちらかが持ち点を突き切るまでが1ゲームということになる。成功1回ごとに持ち点を消化していくから、先に30回成功させればBくんの勝ちということになる。1回成功させれば続けて突くことができるが、失敗したら相手に突く順番が回る。これはポケットゲームと同じだ。
 当時はまだサラリーマンの鑑と呼ばれた時代であったから、変わり果てたボクの姿を見て、ずいぶん驚いていたようだった。名刺を交換して、ときどき一緒に飲もうぜという約束を交わした。
 ビリヤード屋にはまだキューなどの道具一式が預けてあるから、そこに顔を出せばいつでも会えるわけだが、顔を出したら最後、またぞろスリークッションに憑りつかれそうだから、そっちの方向はボクにとっては暗剣殺なのだ。


今日のプレミア版

青空雀荘



展示作品:
通常版:「青空雀荘」
エッセイ:引越完了
今日のポイント:状況を写し込む
ネット撮影会講評:きょんちさんの作品
「竜宮城に来た気分?」

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by osampo002 | 2009-03-20 00:10
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