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2010/02/05 FRI(No.2498)


自転車置き場





 今日も出版社勤務であった。テスト刷りが次々に上がってくるので、その都度色校正をやる。みなさんお忙しそうにしておられるから、仕事がないときは黙って本を読んでいる。さもないとつまみ出されかねない。
 そうこうしているとき、もう夕方だったのだが、ボクの本を担当しているエディターさんと編集長さんに呼び出しがかかった。緊急会議だそうである。「ちょっと席を外しますから、コーヒーでも飲んで待ってて下さい」と言い残して階下に降りて行った(ボクの本の編集担当部署は3階にある)。二人は、ものの20分ぐらいで戻ってきた。でも、なんだか顔が引きつっている。
 なんと、予定していた本の定価が変更されたのだそうだ。1,600円(+税)だったはずが、300円の値上げだという。おいおい、話が違うじゃないか。すでに予約を取っているんだぜ、こっちは。
 もちろん、そんなことをその場で言えるはずもない(ボクが勝手に読者サービスとしてやっていることだから)けれど、内心凄く焦った。めっちゃ焦った。だって、すでに振り込んでいただいた方も大勢おられるのだ。
 編集長さんが契約書を出してきた。ボクも持っているものだ。でも、内容なんてろくに覚えていない。家の中のどこかに保管してあるはずだけど、どこだったかなというぐらいのものだ。その契約書には確かに、定価の欄に「1,600円(予定)」と書いてあるではないか。そう、あくまで予定価格だったのである。変更されても文句は言えない。
 編集長さんも頭を抱えていた。値上げとなれば販売部数に当然影響が出る。いい影響のはずはなく、そうなると、ボクの本を出すについての責任者の評価が上がるはずがない。経理部門とか、もっと上の方とか、そういうところの判断を押しつけられたというところだろう。
 編集長が頭を抱えているぐらいだから、ボクはもう真っ青である。しばしパニック状態に陥った、顔には出さないようにしたけど・・・。さてさて、困ったことになった。どうしたら良かろうか。
 で、考えた。どこで?もちろん、帰りの飲み屋で。酒の味がいつになく不味かったけど、善後策を講じないことにはニッチモサッチモになってしまう。
 頼りなさでは人後に落ちないノーミソがはじき出した結論は以下の通り。
 出版社の都合による変更であってボクの落ち度(契約書の「予定」の部分を軽く考えていた責任はある)ではないけれど、いったん予約受付を始めて、一部の方には払い込みまでしていただいているのだから、いまさら値上げされたから金よこせというのは、人倫にもとる行為である。したがって、すでに払い込んでおられる人に追加の払い込みは強要しない。差額の315円を払うという人の好意を拒むつもりは(全然)ないけれど、その315円だって振り込めば手数料もかかるわけだし、面倒だし、多寡がキットのヤロの写真集にここまですんのかよ!バーロイ、と思われるぐらいなら泣いた方がいい。鬼嫁にはブッ飛ばされるだろうが、そんなもの、慣れてる。
 一方で、1,680円だから予約する気になった。1,995円、冗談じゃねーよ、という人ももちろんいるに違いない。ご遠慮なく予約を取り消してください。すでに払い込んでおられるのだったら返金いたします。取り消しメールに口座情報を書いておいてください。
 すでに払い込んでいただいた方の中には、貧乏なキットの境遇を憐れんで、寄付を上乗せしてくださった方もおられる。その方々からは追加を頂戴する必要もありませんし、そのつもりもありません。ご厚意には深く感謝申し上げる次第です。
 ということで、面倒のタネがまた増えたという感じだけど、これで丸く収まることを強く願うと同時に、出版社の経理部門とかもっと上の方が、またまた考えを変えるということがないよう、神さま仏さま、キリストさま、マホメッドさま、イワシの頭さまにせっせとお願いしようと思う。ノミの心臓は、これ以上のストレスには耐えられそうにない。


今日のプレミア版


駅裏再開発



展示作品:普及版「駅裏再開発」
エッセイ:編集作業は山場
今日のポイント:隠れ家が存亡の危機
ネット撮影会講評:休載
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by osampo002 | 2010-02-06 03:09
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