アゲハ・その3 門田隆将「裁判官が日本を滅ぼす」を読んだ。すっかり考え込んでしまった。 普通、ボクも例外ではなく、裁判所というところは正義を示すところであると考えている。しかし、この本を読んだら、そんな常識などまったく当てにならないということが痛感できる。日本の裁判所は決して正義の使者ではないのである。いかに多くのデタラメ判決がまかり通っているか、著者は現実の判例を引きながら、とくとくと説いてみせる。まるで、裁判に訴えるのは、我が身を滅ぼす近道であるかのようである。 週刊新潮の辣腕記者として鳴らした著者ならではの、綿密な取材が根底にある。裁判官がいかに常識を知らず、威張り散らし、出世しか頭にないのかが、いやでも納得させられるのである。ときに、デタラメ判決が上級審でひっくり返り、そうなると、デタラメ判決を出した下級審の裁判官はトバされると聞いて、溜飲を下げるぐらいが関の山で、最高裁でさえ、いかにいい加減な判決を乱発しているかを知ると、日本という国を悲観の眼でしか見られなくなりそうな気になってしまう。 現在進行中の裁判員制度が一つの救いであるかも知れない。そう思わざるを得ないほど、裁判官に任せてはおけないのが今の日本の裁判所だ。裁判員制度を潰すために、最高裁は国会議員に陳情を繰り返したそうだ。暗然として口もきけない。痴漢冤罪を扱った映画「それでもボクはやっていない」を観てやるせない思いを感じた人も多いと思うが、現実の裁判所は、映画の通りなのであった。 軽く読み飛ばせる本ではない。しかし、読むべき本だ。少なくとも、なにかあったときに、裁判に訴える方が得かどうか、考えてみるよすがにはなると思う。 写真は例のベランダアゲハ。田代島から戻ってみたら、サナギに変身していた。 今日のプレミア版
給水車 展示作品: 通常版「給水車」 エッセイ:海賊のDNA 今日のポイント:青と黄色 ネット撮影会講評:ナンさんの作品 「白河夜船」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ Premium版の購読申込みはこちら。 購読料(月間1,050円)はクレジットカードからの自動引き落としです。
by osampo002
| 2009-09-08 03:06
| 本を読もう!
|
カテゴリ
以前の記事
2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 04月 2011年 03月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 フォロー中のブログ
書評は「脳内紙魚だらけ」に移転しました。
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||