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2009/09/07 MON (No.2347)


アゲハ・その3




門田隆将「裁判官が日本を滅ぼす」を読んだ。すっかり考え込んでしまった。
 普通、ボクも例外ではなく、裁判所というところは正義を示すところであると考えている。しかし、この本を読んだら、そんな常識などまったく当てにならないということが痛感できる。日本の裁判所は決して正義の使者ではないのである。いかに多くのデタラメ判決がまかり通っているか、著者は現実の判例を引きながら、とくとくと説いてみせる。まるで、裁判に訴えるのは、我が身を滅ぼす近道であるかのようである。
 週刊新潮の辣腕記者として鳴らした著者ならではの、綿密な取材が根底にある。裁判官がいかに常識を知らず、威張り散らし、出世しか頭にないのかが、いやでも納得させられるのである。ときに、デタラメ判決が上級審でひっくり返り、そうなると、デタラメ判決を出した下級審の裁判官はトバされると聞いて、溜飲を下げるぐらいが関の山で、最高裁でさえ、いかにいい加減な判決を乱発しているかを知ると、日本という国を悲観の眼でしか見られなくなりそうな気になってしまう。
 現在進行中の裁判員制度が一つの救いであるかも知れない。そう思わざるを得ないほど、裁判官に任せてはおけないのが今の日本の裁判所だ。裁判員制度を潰すために、最高裁は国会議員に陳情を繰り返したそうだ。暗然として口もきけない。痴漢冤罪を扱った映画「それでもボクはやっていない」を観てやるせない思いを感じた人も多いと思うが、現実の裁判所は、映画の通りなのであった。
 軽く読み飛ばせる本ではない。しかし、読むべき本だ。少なくとも、なにかあったときに、裁判に訴える方が得かどうか、考えてみるよすがにはなると思う。
 写真は例のベランダアゲハ。田代島から戻ってみたら、サナギに変身していた。






今日のプレミア版


給水車



展示作品:
通常版「給水車」
エッセイ:海賊のDNA
今日のポイント:青と黄色
ネット撮影会講評:ナンさんの作品
「白河夜船」

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by osampo002 | 2009-09-08 03:06 | 本を読もう!
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