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2009/06/03 WED (No.2251)


大量運搬機







 発売前というのに、早くも増刷決定だそうである。確かに、Amazonで探しても楽天で探しても初版は「売り切れ」表示になっている。重版の村上春樹「1Q84」(上下二巻)を予約した。本の内容、あらすじ、一切不明。「予断を持たずに読んでほしい」との著者の意向なのだそうだ。新聞の書評欄にも、そう言えば内容が載っていなかった。
 近くノーベル賞を受賞するのは確実と言われている作家だが、実は、「1973年のピンボール」と「ねじまき鳥クロニクル」しか読んだことがない。Haruki Murakamiの海外での評価を確立したと言われる「海辺のカフカ」も、あの「ノルウェイの森」も読んでいないのである。「ノルウェイの森」は本棚で埃をかぶっているが、なかなか手に取る勇気が出ない。活字なら一切選り好みしないボクが、本を前に躊躇してしまうのは、大江健三郎とこの人だけなのである。
 というのも、好きか嫌いかという、きわめて原初的な価値判断を迫られたときに、この二人の作家の作品だけは、明快なご返事が容易に出来かねるからなのだ。
 嫌いではない。惹きつけられるものが強烈にある。だが、付いていこうとすると足がすくむ。女性に喩えれば、美人、可愛い、快活、人懐っこい、愛くるしい、とにかく、なんでもいいから手折ってみたくなるような女性ではないのだ。すごく魅力的だし、人間的にも申し分ないのに、下手に手を出したら取り返しがつかない苦境に陥るんじゃないかというような、罠の存在が感じられるのである。鬼嫁で一度体験しているので、同じ轍を踏む危険性には敏感なのだ。
 予約したはいいけど、果たしてページをめくる気になるかどうかはまだ分からない。早く読みたいという気持ちはあるが、またしても足がすくんでしまう予感もあるのだ。
 でも、こないだのエルサレム賞授賞式に、あまたの批判をモノともせず出席し、記念講演で「高くて固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があるとしたら、私は常に卵側に立つ」と語って、ペレス大統領の顔面を蒼からしめたド根性に感服したので、作品を一浚いしてみたいという気持ちにもなっている。






今日のプレミア版

雨樋



展示作品:
通常版「雨樋」
エッセイ:スナップの楽しみ
今日のポイント:休載
ネット撮影会講評:ナンさんの作品
「花園の語らい」

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by osampo002 | 2009-06-04 04:03 | 本を読もう!
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