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2009/01/23 FRI (No.2120)


立ち話







 日銀が、今年度の推定GDP成長率を-1.5%、来年度予想値を-2.0%とする経済予測を発表した。記者会見では、白川総裁もさすがに青ざめていたという。
 この数字、戦後に限れば、1958年のなべ底不況、1965年、山一証券や山陽特殊鋼が破綻し、金融恐慌の兆しを見せた時期、それに、1998年、いわゆるバブル崩壊の時期を凌ぐ、戦後最悪の不況ということになる。昨年10月に米国で金融危機が発生するまでは、経済成長はわずかとは言えプラスの予測であったから、まさに急転直下という形である。
 マイナス成長は日本だけではなく、欧米各国、アジア諸国も同様の状況にあり、世界不況、というより、むしろ恐慌と言っていい。新聞紙面を連日のように失業の話題が飾る状態だ。
 ボクは、アナリストとして経済動向を予測する仕事を引退して、すでに10数年になるロートルであるし、引退後はゲージツ家という、金とは無縁の生活をしてきた人間だから、いまさら経済がどっちに動こうとどうでもいいのだが、昔の感覚が多少なりとも残滓として残っているのかどうか、どうも、この不況は長期化しそうな予感がある。
 二桁成長を続けてきた中国でさえ成長率の鈍化が著しい。オリンピックの反動が来るときだから、ちょっとやそっとでは上向くまい。世界中が息も絶え絶えというわけだから、お助けマンがどこにもいないのである。世界景気を引っ張る機関車がないのだ。
 戦後の好景気にはそれぞれきっかけがある。1950年は朝鮮戦争特需、神武景気(1954年から3年間)は三種の神器ブーム、岩戸景気(1958年から3年間)は自動車とスーパーマーケットブーム、1962年からの3年間は東京オリンピック、いざなぎ景気(1965年から5年間)はベトナム戦争特需と、いずれも大衆の消費行動、もしくは戦争が景気を盛り上げたのであった。
 さて、今回の不況脱出は、どのようなきっかけが担うであろうか。大ブームを喚起するような消費財はありそうにない。オバマは戦争をしない。仮に近隣アジア地域で戦争が起こったとしても、日和見ジャパンに特需の恩恵はやってくるまい。輸出は、回復したとしても中国が一人勝ち。円高で外国人観光客も来ない。ドツボなのである。
 ボクの勘なんて屁のつっぱりにもならんけれど、いわゆる「嫌な感じ」がちくちくと胸を刺す。昔なら、ちゃんと説得できる数字をでっちあげたのだが、そこまでする気力はない。日経平均が5000円を割るぐらいで底を打つとは思うけれど、そこから急上昇というわけにはいかんのではなかろうか、というのが結論だ。占い師並みだな。


今日のプレミア版

雀の木



展示作品:通常版「雀の木」
エッセイ:ベスト100
今日のポイント:枯れ木に
ネット撮影会講評:paul81さんの作品
「まだかなー」

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by osampo002 | 2009-01-24 02:30
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